「津軽びいどろ」って聞いたことありますか?
びいどろはガラスを意味するポルトガル語。
江戸時代から明治時代前期にルーツを持つ、和ガラスの総称とされ、漁業で使われていたガラスの浮玉を造る技術を活かした、手づくりであたたかみのあるガラス製品のことを意味します。
そして、津軽といえば青森。
りんごも有名ですが、この津軽びいどろは北洋硝子が1949年に漁業用の浮玉(うきだま)製造から始めた会社が後に作ったブランドになります。
昔の青森は交通が不便な地理的条件もあり、色ガラス等の原料も自社で調合して補ってきたそうです。
長年の浮玉製造で培った「宙吹き」の技法と色ガラスを掛け合わせた工芸品として、1977年に食器や花器などで構成された「津軽びいどろ」が誕生したのが始まりです。
職人さんたちは技術開発にも力を注ぎ、美しい色ガラスの調合や、高い技術を要する技法もほぼ独学で習得するなど、常に新しい技へのたゆまない努力を続け、現在では青森県伝統工芸品の指定を受けています。
70年も前から作られてきたと思うと、モノづくりの素晴らしさや情熱が製品からも伝わってきますね。
この色のバリエーションからみても色の研究は努力の賜物だと思います。
色づくりも、ほんの偶然からの出来事だったそうですが、青森にたくさんある海岸のなかで、一際美しい砂浜と緑豊かな自然が続く七里長浜の砂をひと握り原料として加えたところから本格的に取り組み始めています。
偶然から生まれた出来事が今に続いているので、わたしたちの食卓に並ぶのもこういった職人さんたちがいるということを忘れないようにしていきたいですね。