Marianne Westman(1928-2017)
真っ白なテーブルウェアに、自由に飛び交う蝶のような花がデコレートされた Mon Amie は、
雨の降る夏至の夜に咲くローズマリーからインスピレーションを受けたと言われています。
「MON AMIE」とはフランス語で「友達・恋人」という意味です。
鮮やかなブルーと可憐で可愛らしい花模様のテーブルウェアシリーズは、
発表当時の人々の心をがっしりと掴みました。
1980年に一度廃盤となりましたが、2009年に復刻しマリアンヌ本人の
リデザインにより再生産されました。
マリアンヌがリドショーピングのロールストランド社で働き始めた
1950年代は、ロールストランド社を始めとするスウェーデン陶磁器デザインメーカーの黄金時代であり、
陶磁器製造は海外で大変な成功を収めました。
マリアンヌが入社する以前から、カール・ハリー・スタルハンやヘルタ・ベングストンのような
有名アーティストのチームがすでに在籍していました。
その時代それらのアーティスト達によって、スウェーデンデザインが世界的に認められていきます。
左からシルヴィア・レウショヴィウス、カール・ハリー・スタルハン、ビルガー・カイピアイネン、ヘルタ・ベングストン。
そして、マリアンヌ・ウェストマン。
ロールストランド社は、1726年にスウェーデン王室御用達の
窯として創業した、欧州で2番目に古い歴史を持つスウェーデンの陶器メーカーです。
装飾性に富んだ高品質な製品や芸術性に富んだ北欧デザインを展開し、現在も多くの人々を魅了しています。
「ノーベル賞」の授賞式後の晩餐会で同社の食器が利用されていることでも有名です。
マリアンヌは陶器作品の製造方法にもこだわりを持って取り組み、
軽快で家庭でも使いやすく美しいデザインのフォルムを追求しました。
Mon Amie/モナミもまた、マリアンヌによって全て手掛けられました。
その中でも薄く繊細に設計されたカップは、口当たりが良く紅茶を優雅に楽しむことができます。
半世紀以上人々に愛されてきた Mon Amie/モナミ。
そこには生涯に渡り革新的なデザインを生み出すアーティストの、
陶磁器によって多くの人の暮らしや心まで豊かにしたいという願いがありました。